翻訳、英語ネタ

わがちちよ

Twitterではすでに告知しましたが、半年ぐらい放置していた『もし高校図書委員会の副委員長がH.P.ラブクラフトの「文学における超自然の恐怖」を読んだら』を更新しました。新しい (オチなし意味なし) エピソード「わがちちよ」の追加にくわえて、既発表ぶん…

White Day

バレンタインデーは昭和21年の2月14日、進駐軍のバレンタイン少佐が子どもたちにチョコレートを配った故事に由来する行事で、この日に「ぎぶみーちょこれーと」と唱えると、どこからともなくチョコがやってくる、と言われていますが、その1ヶ月後におこなわ…

Fishmen

1年半ほどまえ、クトゥルー/クトゥルフ神話作品発掘記さまのブログ記事で『Fishmen』というクトゥルー替え歌の歌詞の和訳のお手伝いをさせていただきました。(当時の記事は → http://d.hatena.ne.jp/servitors/20090303/p1) で、このたび、そのときに作成し…

『オトラント城屍鬼譚』

で、ゾン子さんと蜜月を過ごした結果、このようなものが生まれました。(ただ単に、わたしが読んだものにすぐ影響される単純な性格をしている、ということかもしれませんが……。) 試訳していたホレス・ウォルポール原作の『オトラント城奇譚』(The Castle of O…

『ネクロノミコン』翻訳序説

『ネクロノミコン』の有名な2行連句、邪神クトゥルーの実在と生存を示唆しているといわれる一節の英語訳には、いくつかのバリエーションがあるようです。(参照) それらの間に見受けられる微妙な差異に、わたしはここしばらく頭を悩ませていました。 そして、…

That is not dead...

このエントリは、id:Nephren-Ka様のこちらの記事 (アルハザードの対句 - 新・凡々ブログ) を参照しながら読んでいただくとわかりやすいかもしれません。 That is not dead which can eternal lie, And with strange aeons even death may die. *1 これは、『…

『おとらんっ!』

数日まえにアップした『てるてる☆はあと』の評判がちょっとよかったのに味をしめて、次の翻訳/改変ネタとして『オトラント城奇譚』(ホレス・ウォルポール作、原題: The Castle of Otranto) をやってみようかなあ、などと考えていました。この作品は「ゴシッ…

『てるてる☆はあと』(翻訳)

この流れで、翻訳ネタをもうひとつアップしておこうとおもいます。だいぶ前に冒頭部だけを訳してみた「てるてる☆はあと」(エドガー・アラン・ポオの『告げ口心臓』[原題: The Tell-Tale Heart] のヤンデレ? 風翻案) を、すこしだけ方向性を変えて、全文訳し…

『ダゴン』(翻訳)

去年の7月にTwitter「実況」で使った『ダゴン』のテキスト、データが複数のPCに入っていたり、アドリブで変更した箇所が保存データに反映されていなかったり、完全に自分の管理能力のなさのせいですが、とっちらかった状態になってしまっていたのを、いまさ…

クリスマス中止のおしらせ

私は住み慣れた町を遠く遠く離れ、東の海に魅きよせられていた。 黄昏れの訪れとともに、波が岸辺の岩を打つ音が聞こえ、私は、海が、この先の丘の彼方に広がっていることを知った。 丘の上には柳の木が幾本も、雲が割れはじめた宵の空とまたたきはじめたば…

「とぐちの!」

この日のエントリで、「ラブクラフト御大の "The Thing on the Doorstep" (「戸口の怪物」) の身体交換ラブコメ変換→『とぐちの!』」というネタを書いたところ、なんとなんと、「死ぬ死ぬカミルたん――自殺志願の吸血鬼」を書かれた大久保ゆう(id:bs221b)様が…

てるてる☆はあと (つづき)

なんで「殺しちゃいたい」って思うようになったのかは、自分でもよくわかんない。だけど、いちど思いはじめたら、朝も夜も、頭の中はもうそのことばっかりだった。動機? ないない。恨み? ぜんぜん。だって、彼のこと、大好きだったもの。いつだって優しくて…

てるてる☆はあと

数日まえの「今日の早川さん」のエピソード (の中で帆掛さんが着ているTシャツのロゴ) をみて、エドガー・アラン・ポオの「告げ口心臓」(原題: The Tell-Tale Heart) をヤンデレ(?)風に翻案した短編、タイトルは「てるてる☆はあと」――とかいうネタが浮かんだ…

爆発音がした -- バルカン人のばあい

スタートレックついでに、こんなのをおもいついたのでポストしておきます。もう似たようなのを書いているひとがいるかもしれないけど。 (参照: 「爆発音がした」まとめ 上、「爆発音がした」まとめ 下) A sudden emission of light was detected at 6 o'cloc…

ヘミングウェイと電報、あといろいろ

本題:読んでた本 (学術書だけど) におもしろい箇所があったので、ちょっと長めではありますが、抜き書き。 ... the telegraph eliminated the correspondent who provided letters that announced an event, described it in detail, and analyzed its subst…

H. P. ラブクラフトで学ぶひとこと英語 一発ネタ編

こんにちは。H. P. ラブクラフトで学ぶひとこと英語の時間です。 今回、特に内容はありません。いきなり終わります。 それではみなさん、may the force be with you! ちゃうがな。ファンに怒られるで。 あ、まちがえた!. . . というわけで、もういちど。 そ…

H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語 Lesson 6

こんにちは。「H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語」の時間です。 今日は、ナイアルラトホテプの二つ名とされている、"The crawling chaos" をとりあげます。 まずは、構成要素それぞれの意味をみてみましょう。 crawling (crawl)1. 這う、這いずる 2. ゆっく…

H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語 April Fool's Day Edition

こんにちは。「H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語」、今日は番外編をお送りします。 かに以外の魚介類の肉を、かに肉の風味や外見に似せて加工したものを、日本では一般的に「かにかま」と言いますね。その「かにかま」、英語では、こう呼んだりします。Imit…

H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語 Lesson 5

こんにちは。「H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語」の時間です。 今日は、この単語についてとりあげます。"The Call of Cthulhu" に使われている、"call" という名詞ですね。 call 1. 呼び声、叫び 2. (神の)思し召し、神命 3. 電話 などなど。 (注:基礎単語…

To hunt in the morning, ... criticise after dinner, just as I have a mind, without ever becoming hunter, ... or critic

こちら(God & Golem, Inc.)と、こちら(2009-03-18 - 雪泥狼爪)のエントリに関係があるような、ないようなこと。コメントとして書くほどには関係していないような気もするので、(あと、長すぎるので) 捕捉してもらえないかもしれないけど、ここに書きます。 …

H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語 Lesson 4

こんにちは。「H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語」の時間です。 今日は、単語の勉強をしましょう。今回とりあげる単語はこちら。"Hideous" です。覚えておくと、いざというときに役にたつ単語ですよ。 hideous ――おそろしい、醜い、不愉快な それでは、例文…

つぶやき

(いちおうPL発言なので格納。「続きを読む」をクリックで展開されます。)

H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語 Lesson 3

こんにちは。「H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語」の時間です。 今回は、接頭辞をとりあげます。まず、こちらの例をみてください。 unthinkable (考えられないほどの) unimaginable (想像すらつかないような) immemorial ([人類の記憶、記録にないほど]太古…

H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語 Lesson 2

こんにちは。「H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語」の時間です。 今日は単語の勉強をしましょう。今回とりあげる単語は、こちら。"Aeon" です。 aeon ーー 長い時間、永劫 では、例文をみてみましょう。 That is not dead which can eternal lie, And with s…

H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語

こんにちは。「H.P. Lovecraftで学ぶひとこと英語」の時間です。 今回は、とっさのひとことを勉強しましょう。 これは、「窓に! 窓に!」の日本語訳でも有名なフレーズですね。 例文をみてみましょう。 The end is near. I hear a noise at the door, as of s…

「ハイブリッド言語」は「英語」を滅ぼすか

グロービッシュは、ビジネス・コミュニケーションとしてだけでなく移民子弟の間にも広がっているのだ。 英語ではないグロービッシュの繁栄 - 絵本手帖 機能語 tool としての英語と、歴史と文化を担う時間語としての英語。(中略) これからあと数十年くらいす…

ツンデレ・ビートルズ

助けてよ! だれかの助けが必要なの。 べ、別に、助けてくれるならだれでもいいって言ってるわけじゃなくて……。 私が助けを必要としてるの、あなたは知ってるでしょ! 昔はだれにも助けてもらわなくても平気だったけど、 いまはそうじゃなくなったの。 だから…

英語人格

「英語を(おそらく、第二言語として)使っているときには、別の人格が発現しているのではないか」という話。こちら(2008-10-25 - 雪泥狼爪)で話題になっていました。 で、私は、この話に関しての本を読んだことがあるわけでもないし、議論を追いかけてみたわ…