2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

あたらしい朝

カメラだけ持って熱帯の密林にでも行ってしまいたい。 年末進行の仕事に追われるなか、毎日のようにそう口走っていた隣席の同僚が、ある日を境にぱったりと出勤してこなくなってしまった。 本当に旅に出てしまったのではないか、と皆で噂していたのだが、週…

にっき

・髪を切りました。おもいきって、ばっさり短く。短くするのははじめてではないんですが、なんだか太ってみえるな。太ったんだろうなあ……。 ・市内の、バス停が近くにあるのでよく通るあたりに、古本屋、一軒おいて喫茶店、という、最強のトラップ(私にとっ…

帰国ー

昨日実家につきました。帰ってくるまえは、学期おわりの業務とか、自分のペーパー提出とか、風邪ひいたりとかがかさなって忙しかったので、しばらくゆっくりしたいです。 ↓ ウェブ拍手ボタンです。いつも拍手くださっているかた、ありがとうございます。はげ…

読書

いまはこれを読んでます。20th Century Ghosts作者: Joe Hill出版社/メーカー: William Morrow Paperbacks発売日: 2008/09/16メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る飛行機の中でも集中力がつづいたら読むつもり。 ↓ ウェ…

ひとこと

(ネタばらしのようなものが含まれるので、格納しておきます。「続きを読む」をクリックで展開されます。)

今日のアーカム

てんき:くもり。最低気温41度、最高気温62度。 11月15日のインスマス行きと、そのあとの顛末については、だいたい書き終わったので、次からは通常更新に戻りたいとおもいます。 いまは、わりと元気です。天気について書いてないあいだに、アーカムでは今年の…

11月15日、土曜日。(その12: 終)

その週が終わるころになって、私はすこしずつ回復してきた。 けれども、まだ本調子にはほど遠く、そのあとも1週間、寝たり起きたりをくりかえした。 楽しみにしていた感謝祭の休暇も、ボストンへの買い出しも、すべて棒にふることになってしまった。 魚人に…

11月15日、土曜日。(その11)

インスマスの町から、インターチェンジまで。車ならば15分もかからない距離のはずだが、1時間以上は歩いただろう。 体はすっかり濡れ、冷えきってしまっていた。 道路がすこし登り坂になっているところを越えると、降りしきる雨の幕のむこうにぼんやりと、ガ…

11月15日、土曜日。(その10)

悲鳴が漏れそうになるのを両手で自分の口に蓋をしておさえながら、私は路地の奥へと後ずさりした。 街灯が投げかける光の輪の中に、その姿ははっきりと浮かびあがっていた。 集団の、残りの数人。 彼らは二足歩行はしているものの、異様なくらいのがに股で、…

11月15日、土曜日。(その9)

リュックサックを背負って、ふたつある窓のうちの、ひとつの前に立つ。 カーテンをかきわけて、外を見る。 部屋が面しているホテルの裏庭は、常夜灯のオレンジ色の光で満たされていた。 雨は今は降っていないようだ。 窓のすぐ下あたりの、壁沿いに目を走ら…

11月15日、土曜日。(その8)

私は布団の中で、自分の腕で自分の体をきつく抱いた。動悸がはげしくなって、両足がぶるぶる震えているのが、寝た姿勢のままでもわかった。 廊下の声が議論していたのは、この部屋のことだ。私のことだ。 203号室の客――というのは、夕食時に会ったあの女性だ…

11月15日、土曜日。(その7)

ホテルの自室に戻ると、本格的にやることがなくなってしまった。 9時を過ぎているから、夜もまだ若い、とは言えないかもしれないけれども、寝てしまうにはまだ早い。暇になったときのために、短編小説集も持ってきてはいたのだが、なぜか今日は、それを読む…