空想、妄想、創作

隣室の、ルームメイトではない何か。

一週間ほどルームメイトを見ていない。 もっとも、それについては、とりたてて騒ぎたてるほどのことでもなかった。 生活パターンが違うのだ。彼女は朝、大学の図書館のアルバイトに出かけていき、夜は早くに自室に行ってしまう。私が深夜に近い時刻になって…

隣室から、這い寄ってくる何か。

目が覚めた。 ベッドに横になったまま、しばらくぼんやりと、空中に視線をさまよわせる。 自宅アパートの、自分の寝室。建物の地階にあるこの部屋には、西側の壁の天井近くにちいさな明かりとりの窓がひとつあるだけで、部屋は日中でも薄暗い。外界にまだ夜…

私が考えた「魔法少女防空戦隊」

ふもとの牧場には放たれた羊たちが白い点々となって散っていた。それをやや下に見ながら、山すそのなだらかな傾斜に沿うように、ゆっくりと高度を上げる。しばらくすると、眼下に広がる色が、牧草のやわらかな緑から、針葉樹林の濃い緑に変化する。そのあた…

Fog 2

アーカムをおおった深い霧が晴れて、数日が経った。 発生した翌日には地域の新聞でも一面でとりあげられ、住民の会話の中でも必ず触れられる話題であったけれども、ふだんと変わらない生活を送るうちに忘れてしまうのか、いまとなってはその日のことを耳にす…

Fog

アーカムの町は、深い霧につつまれていた。 町の中を流れるミスカトニック川の水面にたなびく淡い川霧程度であれば、冬の寒い朝などによく見られる光景であったけれども、今日の霧はそれとは様相が異なっている。 町全体がミルクをそそいだグラスの底に沈ん…

「ミスカトニック川の怪物」

大学の実験室から排出された薬品がミスカトニック川に流れこんで、それによって川に棲息している生物が突然変異。巨大化、凶暴化した怪物が、アーカムの町を襲う! 今日、同じくミスカトニック大学にかよっている日本人の友だちと会って話していたら、大学の…