@takayehつぶやきまとめ

ふたたび、Twitterアカウント @takayeh でつぶやいた創作系ポストのまとめです。(一部、メインアカウントのほうに投稿したものもまざってます。) 今回、まとめるのをしばらくさぼっていたら、けっこうたまってしまったので、Twitterでfavourite(おきにいり)をつけていただいたものを中心に、あるていど選別してみました。まあ、自分に甘いので、ひとつもfavouriteもらってないのに入れているものもありますが、大目にみていただけると幸いです。あと、2ポスト程度で完結していない長いものに関しては、下に別の項を立ててまとめました。


SF (SF?)・ファンタジー

「市電に、一本道の途中なのに別れ道という名の電停がある。前後の駅間も短く利用者は僅か。常々不思議に思っていたのだが、今朝わかった。客の為でなく運転手に告げる為なのだ。別れ道があることを。停車して前扉が開閉された後、車内が混雑時の空気になった。電停には誰もいなかったのだけれども。」


塚の上でみた夢。「下りていくと中では話に花が咲いている。加われずにいたら山羊の脚をした男が声をかけてくれた。おかげで他のヒトとも会話が弾み楽しかったのだが、突然男が黙ってしまった。相手もしてくれない。ハレの日は終わったんだという。まわりではお喋りや音楽が賑やかに続いているのに。」


「陸上男子/女子100m新レギュレーション(案): 予選、決勝を通して定められたセット数の靴しか使用してはいけない(ウェット時を除く)。空力付加物は可動式であってはならない。エンジン交換はシーズンを通して7回まで。ギヤボックスは5戦連続して使用しなければならない。」


ゲリラ豪雨の被害を避けるため、都内各所に術者が配置された。都心上空で雨雲が急速に発達したら、祈祷の力でそれを隣県に向かわせるのだ。この仕組みは非常に有効に機能した。埼玉県がより強力な術者集団を雇い入れるまでは。」


AWACS(高高度早期警戒管制網)は魔女飛行隊から首都を防衛する目的で初めて導入された。箒で移動し従来の監視網を巧みにかいくぐる敵部隊の動きを捕捉するため、高空に遠見の術に優れた魔女を配置したのである。」RT @DocSeri http://tinyurl.com/lzf8mj
「『へっくちゅん』盛大なクシャミをした少女は、箒から片手を離し、顔の下半分を覆っていた襟巻をずらすと、ぶ厚く綿が入った袖口で鼻水をぬぐった。それから、飛行服の上衣の裾に半ば潜り込むようにして丸くなっている黒猫に声をかける。『あんたも寒い?』高高度早期警戒任務は、冷えるんである。」


「近い未来になにが起こるかを知ることに、どれだけの意味があるだろう。それよりは、過去と折り合いをつけることのほうが、大事なのではないだろうか。『天秤座のあなたは、昨日はアンラッキー。なにをしても失敗ばかりの日じゃなかった? そんなあなたの昨日のラッキーカラーはオレンジでした。』」



クトゥルー神話系。

ミスカトニック大学図書館が蔵書をすべて電子化すると発表。あの禁書もあの禁書も電子ブックで読める!」


「屋根裏部屋でひとりハーモニカを吹いていると、彼はよく窓の外にきて音色に耳をかたむけていく。彼がそこにいるときだけは、体が自然に動き、この世のものならぬ旋律でさえも容易に紡ぎだすことができた。近くの教会の塔の上が彼の棲家。夜な夜な、そこから黒い翼を広げて飛び立つ彼の姿を見る。」


「『血』は、ある種の外見的性質を発現させるが、それ以外には一切なにも決定しない。私が海に惹かれるのは、後天的に培った縁が存在しているからだ。『深きものの血』が流れているからでは断じてない。生まれ育った場所に抱く郷愁を、なぜ『血』などというもので説明しなければならないのだろう。」


「体が鱗におおわれはじめたら、『鱗ケアソープ―深海の水とおなじ成分で鱗にやさしい』がおすすめです。お近くのインスマス物産店等でお求めください。」


インスマス物産店では、ほかにも、水かきが大きくなってきた手でも使いやすい大型キーパッドの携帯電話(防水対応)、離れた目でもかけられる眼鏡、サングラスなどを用意して、あなたのご来店をお待ち申し上げております。」



伊勢物語 vs ついったー。

「昔のひとは、誰かが夢枕に立つのは、自分がその人物のことを想っているからではなく、その人物のほうが自分のことを気にして会いに来てくれるからだ、と考えたそうです。伊勢物語の主人公が東下りの途中でつくった『駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にもひとに会わぬなりけり』という歌…
…この歌は、都からあまりにも遠く離れてしまったので、現実でも知っているひとに会わないし、夢の中でも自分に会いに来てくれるひとがいない、と旅の寂しさを詠んだものだといいます。時代は流れ、技術の進歩のおかげで、長い距離を隔てていても、うつつでひとに会うことは難しくなくなりました…
…あなたも海のむこうから毎日 Twitterで話しかけてくれます。だけど、ひとの夢が一晩に旅できる距離は、昔からそれほど変わっていないようです。だって私がこの国にきてから、あなたに夢で会えたことはまだ一度もないもの。夢の航続距離を伸ばす新技術、誰かが開発してくれたらいいのに。」


かんがえてみると、和歌って、1)文字制限あり。2)@リプライができる(返歌)。3)RTができる(本歌取り)。4)モバイルでも詠める。Twitter平安時代の日本で既に開発されていたんだ!! (な、なんだってー)


昔人はかくいちはやきみやびをなむしける。 RT @mukashi_wotoko 春日野の 若紫の すり衣 しのぶのみだれ かぎりしられず。 RT @kawaranosadaijinn みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆえに みだれそめにし 我ならなくに。 (via 伊勢物語 初段)



豚インフルエンザ

「お粥、おいしかったよ。ありがと」
「べ、別に、姉ちゃんが寝込んでるからってわざわざつくったわけじゃないからねっ。私が食べるから、ついでに……」
「風邪でもないのにお粥食べるの? それに、あんたお粥嫌いって言ってなかった?」
「ば、バカっ。姉ちゃんなんか一生豚インフルエンザで寝てろっ」


***


「姉ちゃん、だいじょうぶ?」
「うん、だいぶましに……って、伝染るといけないから、入ってきちゃダメって言ったじゃない」
「へいきだよ。それに、私が寝込んだら、こんどは姉ちゃんが私の看病してくれるでしょ」


***


「あ、でも、豚インフルエンザは濃厚接触者間でしか感染しないらしいよ」
「……濃厚接触って、どんくらいのを言うのかな」
「さあー」
「こっ、これくらい?」
「うわ。やめなって。ほんとに伝染るよ!」



メイドさん

「ご主人さま、マンモス冷えたものをお持ちしました」
「ありがとう、そこに置いて……何だそれは」
「ご存知ないですか? 約1万年前に絶滅したゾウの類縁種です。シベリアの永久凍土の中から氷漬けになった個体が頻繁に発見されていまして……」
「いや、なんでマンモスなんだ?」
「えっ、違うんですか? だって、メイド長が、旦那さまにはマンモス冷やしたのをお出しして、って……」


***


「あの、メイド長……」
「どうしたのです?」
「貯蔵庫に『ねこ缶』というラベルが貼られた缶があったのですが、あれはやはり、旦那さまが研究しておられる脳缶とおなじ原理のものなのでしょうか」
「???」
「それで、あの、旦那さまの研究室にあるものよりも小サイズなのは、やっぱり、ねこは脳の容積が小さいからなのですか?」



ハッシュタグ#twnovel を使う場合は、140文字で完結しているものだけにしてください、ということだったので。

140字でおわらない #twnovel 「ねえ覚えてる? 妻が言った。窓の外に今朝は珍しく霧がかかっている。思い出すわね、あの町を。僕はコーヒーを一口すすって頷いた。忘れるはずがない。そっくりなのだ。僕たちが出会った異国の港町の朝に。現地の人は町をこう呼んでいた。オワラナイ。」


次回をお楽しみに #twnovel 「『渦巻く風、逆巻く波を乗りこえて、私たちはついに嵐の中心にある島に辿り着きました。だけど、そこには、私たちが想像もしていなかった強敵が待ちうけていたのです。次回、決戦ルルイエ島、お楽しみに!』僕はテレビを消して立ち上がった。やれやれ。」



140文字クッキング。

「140文字クッキングの時間です。今日は、骨つき鶏もも肉ポーランド風ソーセージと新たまねぎとじゃがいものトマトスープ煮込み、モツァレラチーズとルッコラのサラダ、エクストラ・バージン・オリーブオイルとバルサミコ酢のドレッシングを作ります。こちらができあがったものになります。」



アメリカンジョーク。

「出張で初めて日本に行くというアメリカ人の友人に、good morningは日本語でどう言うか、と聞かれたので『オハヨウ。オハイオと発音が似てるから、語呂合わせで覚えるといいよ』と教えた。彼は、日本で客先を訪問して、開口一番、こう挨拶した。『アイオワ!』」


「別のアメリカ人の知人に、日本語で thank youはどう言うのか、と訊ねられたので『アリガトウ。アリゲーター(鰐)と似てるから語呂合わせで覚えるといいよ』と教えてあげた。あるとき彼女は日本人にお世話になった。お礼をしようとして、こう言ったんだという。『ドーモ、クロコダイル』」



右からきたチャック・ノリスを左へ受け流すことはできないの歌。

「♪も〜し〜も〜 あなたにも〜 右からいきなりチャック・ノリスがやってくることがあれば〜 この歌を〜 思い出して〜 そして左へ受け流せるなんて考えないで欲しい〜」



ラブホ。

ラブクラフティアン・ホラー (Lovecraftian horror) の略語としてのラブホ。


や、それにほら、大学に「ラブクラフティアン・ホラー愛好会」とかあったら、絶対「ラブホ愛好会」って呼ばれてるって。


「えっと、あの……いっしょに、らぶ……ほ……しませんか? だ、だれにもかれにも声かけてるというわけじゃ、ないんです。あなたは特別だとおもうから。え? あ、はい。そうです。ラブクラフティアン・ホラーです。」


「ちょっと休憩しようか。すぐそこにラブ……おい、勘違いするなって。ラブクラフト専門の古本屋があるって言おうと……え? もっとダメ?」



まさかのときの、セーラム魔女裁判

「ここでセーラム魔女裁判が出てくるとはおもわなかったわ」
(バタン)「セーラム魔女裁判!!」
「!!」
「お前には3つの嫌疑がかけられている! 魔法薬を所持した罪、禁書を所持した罪、少女に魔術をはたらいた罪、そして、悪魔を召喚した罪……の4つだ!」



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