住むところ

前にもルームメイトのことはちろっと触れましたが、私は一昨年(大学院に入って二年目)から、学部の同期のドイツ人の子とアパートをシェアして住んでいます。住んでいる場所も、一昨年から同じところで、キャンパスの西のほうにある、古い家を改造したアパートです。いくつかの部屋を分割して、個別に住めるように台所とかバスルームを増設してあるんですね。

ちなみに、かなり古い家で、たぶん築100年は経っているのではないでしょうか。(欧米では、日本と違って家は石やレンガやコンクリートで建てて、長いこと建て替えないので、古い家は本当に古い。)私たちが借りているアパートは半地下で、あんまり快適ではないうえ、キャンパスまでもそこまで近いというわけでもないのですが、ルームメイトがここが気に入ったと言うし、私はそんなに家にいるわけでもないので、引っ越す理由も特になく、ここに居ついたままになってます。夜は静かだし、キッチンやバスルームもちょっと設備が古いけど、何かが壊れているわけでもないから、それほど悪くもないとも言えます。


アーカムは、前にも書いたように、ミスカトニック川の両岸に町が広がっています。北岸の高台になっているところは伝統的に高級住宅地なようで、立派な家が多く、学校関係の人はあまり住んでいないかもしれません。偉い教授とかは別ですけど。

反対側、南岸の高台は、もともとは労働階級や移民労働者が住んでいた場所で、道も細く、ちょっとごみごみしています。大学の裏手や東側には、最近(といっても10年以上前かも)になって建てられた学生向けのアパートもたくさんありますが、あまり造作のよくない建物も多いようで(間取りも同じだったりすることが多いし)、大学院生への評判はそれほどよくありません。学部生で寮に入らない人は、こういうところに住んでいることが多いようです。他に、私たちが住んでいるような、家を改造したアパートもそこそこあります。


学校内には学生寮が3棟あって、うちひとつは大学院生専用になっています。ここはいちおう個室なのですが、ひと部屋が、日本の住宅事情を知っている私から見ても、狭い! と思うような広さで、キッチンやバスルームがシェアになってしまうので、私は最初から入らないことにしました。(一年目はひとりでアパート借りてました)。学部生用の寮は、一軒は比較的新しい高層建築で、もう一軒は昔ながらの建物です。中は住んだことがないのでわかりませんが、3人や4人で部屋をシェアする形式になっているようです。


そうそう、いま住んでいるところは、すぐ裏手が墓地になっていて、それもちょっと不気味なんですよね。まあ、現在はほとんど利用されていないらしいし、慣れてしまうとわりと大丈夫なんですが。



注:このブログ内の記述は基本的にフィクションです。登場する人物、団体等は架空のものであり、実在する人物、団体等との関係はありません。