学校生活

プランゲ文庫異聞

午後のシフト中のことだった。 日本語のコレクションについて質問したい、というパトロン(図書館利用者のこと)がいる、と言われてカウンターに行くと、そこには、くしゃくしゃの髪に、とがった耳の、背の高い男性が待っていた。 彼は、ようやく春めいてきた…

知られざる北極探検の歴史

うちの大学の図書館で、いまこういう展示をやっているそうです。ミスカトニック大学といえば南極探検で有名ですが、初期の北極探検に関する古資料も所蔵しているんですね。

路線バス

久々にこのカテゴリの記事を。といっても、小ネタぽいのですが……。 アーカムは、アメリカの中小規模の町にしては、路線バス網が整備されているほうです。大学が町の中心になっている (経済的にも) という理由がおおきくて、ミスカトニック大学が交通局に資金…

Idoru M@ster

タイトルはタイポではないですよ。 教授と期末に提出する研究ペーパーの内容を相談していたら、ウィリアム・ギブソンの「あいどる」も参考にしてみたらおもしろいんじゃないか、というような話になぜかなる。そういう流れで (「ニューロマンサー」でもなく) …

ミスカトニックくま

そういえば、学校のロゴ入りグッズといえば、こんなのも持ってます。 去年の誕生日にニシちゃんにもらいました。今年もあと2週間くらいだよー(と、さりげなく? アピール)。

手紙 その5

私が楼家島で撮影した写真がきっかけで手紙をやりとりするようになった、ミスカトニック大学の元教授。8月のはじめころ、すこしだけやりとりが途絶えたのですが、その後、二度ほど封書がとどきました。 8月半ばにとどいた一通めは、いままで私たちのあいだの…

しらべもの

土日はニシちゃんの手伝いをしていて時間を割くことができなかったのだけれども、先週受けとった手紙の内容で気になることがいくつかあったので、すこし調べものをする。 インスマス。アーカムの隣にあるこの町は、大学の図書館に残っている昔の新聞などによ…

手紙 その4

ふたたび、例の元ミスカトニック大学教授から封書が届いた。前回返信先として指定されていた私書箱が、差出人の住所として今回も書かれている。開いてみると、あいかわらずの達筆な筆記体が便箋を埋めている。 書状の内容は、だいたい次のようなものだった。…

手紙 その3

夕方、ニシちゃんとわかれて帰宅すると、見慣れた流麗な筆記体であて先の書かれた封書が郵便うけに入っていた。例の元ミスカトニック大学教授の筆跡である。 楼家島の写真を再送したのは、つい昨日のことなので、その返信にしては早すぎる。不思議におもいな…

手紙 その2

先週(手紙 - アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記))手紙を出した、ミスカトニック大学の元教授から返事が届く。どきどきしながら開封したのだが、入っていた便箋に書かれていた文章は短いものだった。 手紙は届きましたが、あなたが同封したと書いて…

手紙

火曜日の夜、指導教官からメールで呼び出しがくる。水曜日、何時でもいいからオフィスまで来るように、とのこと。めったにない(たぶん、いままで一度もなかった)ことなので、なんだろうとおもいつつ(怒られるんだろうか、という不安も半分)、行ってみると、…

図書館にて

日本へ発つ数日まえのこと。 大学の図書館の地下階と1階をむすんでいる内階段の、せまい踊り場。私はそこで、首をすくめてちぢこまっていた。時刻は夕方6時にあと数分。図書館の閉館時間が刻一刻と迫っていて、手もとにはまだ貸し出し手続きの済んでいない本…

ピクニック

今学期もだいたいおわり、という時期になったので、金曜日は学部主催のバーベキューピクニックがありました。行ったのは、このとき行ったのとおなじ、アーカムのちょっと西のほうにある、バーベキューとかができるようになっている場所。陽が落ちたら寒くな…

おわったー

おひさしぶりです。ここんとこ、昨日が提出期限だったペーパーにかかりっきりで更新できませんでしたすみません。でも、ペーパーやっとおわった。実は提出したの今朝ですが、よく知ってる先生なので、たぶん許してもらえるとおもいます。 ペーパー提出期限ぎ…

私の主張

ひとつ、声を大にして主張したいことがあります。 それは、アメリカのビールは薄くない! ということ。 アメリカに滞在中の日本人と話をすると、「アメリカのビールはまずいよね」と言われることがわりとあるのです。たしかに、大量生産、大量消費マーケット…

図書館と番犬

昨日ルームメイトに会ったら、右手が包帯ぐるぐるだった。理由を聞いてみると、図書館で犬に噛まれた、らしい。ケリー・リンクの『黒犬の背に水』じゃあるまいし、とおもったのですが、どうやらうちの大学の図書館には、昔から番犬が飼われているそうです。…

ふつうの日記

今日は内輪の学会というか発表会というかがあって、朝から学校に来てます。土曜日に早起きすることがあまりないので、今日もねむい。発表会はおもしろかったけど、最後のセッションは出ないでぬけてきた。いまはカフェにいます。土曜日なのに学校の駐車場が…

あぶない

うちの学部が入っている建物は、人類学部以外に、地理学部とか、ほかの文系学部との共用なんですが、今日、ひさびさに裏口のほうをつかったら、建物に入ってすぐぐらいのところにある部屋のドアに「バイオハザード」(生物的危険あり)のサインがあるのに気が…

現地調査

ルームメイトは、奨学金がとれたら来年は現地調査に行こうと計画してるようです。そうすると、アーカムにはほとんどいないことになるから、アパートをどうしようかな。いまのところは、ひとりで住むには、すこし家賃が高すぎるので。 私も、学部からお金がも…

アメリカのこと、英語のこと(日本の英語教育についておもうこと、もすこし含む)

「日本の英語教育についておもうこと」といっても、「あれではしゃべれるようにならない」とか、「受験重視はダメだ」とか、よくある議論をもち出すつもりはありません。 (ちなみに、私はどちらかというと高校まで学校の英語は得意だったし、文法重視の授業…

ミスカトニック大学と南極探検

前に、このエントリで紹介した、ミスカトニック大学の展示館。今日は、すこしそこに関係のある話題です。 20世紀の初頭(細かい年は聞いたけど忘れてしまいました。歴史は苦手……)、南極探検がようやく可能になりはじめたころ(だから、アムンゼンの南極点到達…

久々です…+研究のこと

はう。1週間以上も更新してませんでした。その間見に来てくれていた方がいたらごめんなさい。事情としては、そろそろ研究のトピックをつめないか、と指導教官に言われて、いろいろ書いたりしていたのです。 ちょうどいい機会なので、私の研究について、ちょ…

大学院のこと

大学院の仕組みや印象なども少し書いておきたいと思います。 私は、人類学部(Department of Anthropology)に所属しています。博士(PhD)課程です。大学院生は、ひと学年あたり3〜5人(全体で30人ぐらい)、専任の教授は6人という小規模な学部です。といって…

展示館

今日のアーカム:くもり。最低気温43度、最高気温60度(華氏) 先週はこの時期にしては暑いぐらいの日があったのですが、最近は寒いです。今日の最低気温は、摂氏にすると10℃以下。冬になるともっと寒くなりますけど。 さて、昨日は図書館の怪談のことを書きま…

図書館の怪談……

今日は朝全然起きられなかった。学期がはじまってすぐはがんばって起きてるんですが、しばらく経つとどんどんダメになっていきます。 さて、前回の続きで、今日も図書館の話。図書館には、そこにまつわるいわゆる「怪談話」もいろいろあるのです。昔(100年…

図書館

大学の図書館は、Orne Libraryと呼ばれてます。地下1階、地上3階建て(書庫内は5フロア)で、わりと充実していると思います。なんですが、ここには怖い話がいくつもつきまとっていて...。たとえば、この図書館はどういうわけか、古い奇書がたくさん所蔵され…

ミスカトニック大学

ミスカトニック大学は、1690年に設立された伝統ある大学です。設立当初はArkham Collegeという名前で、それからMiskatonic Collegeと呼ばれていた時代を経て総合大学になり、Miskatonic Universityになりました。もともとは入植地内の高等教育の場として、教…