Pubooで公開している作品とか
同人アンソロジーなどに寄稿するときはPubooの個人別ページを「ホームページ」として掲載してもらっていることが多く、なので導線としては逆になってしまうのですが、今年はyARn、クトゥルフ神話アンソロジー、『団地少女』アンソロジー、吸血鬼小説アンソロジーに参加・寄稿して、それらではじめて知ってくださったかたもいらっしゃるかな? いるといいなあ、とも思ったので、まえに書いてweb上で公開している作品の紹介をしてみます。
Pubooでは、現在、中編、短編(集)、掌編あわせて8作品を公開しています。→ http://p.booklog.jp/users/asahit
吸血鬼アンソロジーに書いた『Silver Shells - 銀の散弾』を気に入っていただけたかたには、『The Fly: ハエ娘の恐怖』(http://p.booklog.jp/book/9642) などはいかがでしょうか。似たような感じの同居コメディです。(yARn掲載の話も同居ものといえば同居ものかもしれないですが。)
クトゥルフ神話アンソロジーや『団地少女』から来てくださったかたには、『もし高校図書委員会の副委員長がH.P.ラブクラフトの「文学における超自然の恐怖」を読んだら』(http://p.booklog.jp/book/1701) がおすすめです。あとは、ちょっと古いですが、『Monsters v.s. Deep Ones』(http://p.booklog.jp/book/1943) もクトゥルー成分 (百合成分も?) の入った中編になってます。
それから、最近はあんまりそうでもないですが、このブログの最初の数年間のぶんも、実はクトゥルー神話的な「日記」になっています。お時間があるときに、このブログの過去ログもぜひどうぞ。(これを冊子にまとめたやつもあるんですが、いまのところ販路がなく……実家の肥やしになってます。)
と、いうわけで、はじめてのかたははじめまして、以前からお知り合いのかたは、今年も一年、ありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。皆様がよいお年をお迎えになりますよう。
告知ー
「おお」
「どうなされましたか、お嬢さま?」
「これじゃ。儂らが登場する譚が、こんどのコミックマーケットで発行されるアンソロジーに掲載されるそうじゃ」
「さようでございますか」
「『一日目 東Q-15b ふぇにどら!!』さんで頒布される、『吸血鬼譚』というアンソロジーじゃな」
「どのような話なのでございましょう」
「『Silver Shells - 銀の散弾』という題名の掌編じゃ。題名にあるとおり、お主と儂の『ショットガン・マリッジ』の話になっておるようだぞ」
「お嬢さま……」
「なんじゃ」
「……『ショットガン・マリッジ』という言葉の意味をわかって使っていらっしゃいますか?」
「『散弾銃がとりもつ縁』のようなことじゃろ?」
「ちっ、違います!!!」*1
……というわけで、コミックマーケット83の1日目 (12/29) で発売される同人アンソロジーに掌編を1本書きました。こんな感じのふたりが夫婦掛け合い漫才をする話です。
アンソロジー『吸血鬼譚』には総勢28人がイラスト・小説で参加、『吸血鬼譚-blue blood-』と『吸血鬼譚-crimson eyes-』の2分冊で発行されるそうです。ちなみに、『Silver Shells - 銀の散弾』が収録される『吸血鬼譚-crimson eyes-』のほうはR18指定となっています。(18歳未満のかたはお求めになれません。もう1冊は全年齢向けなので、まずはそっちを買っておいて、こっちは大人になってから買ってください。) ……なんですが、私の作品は、例によって (?) エロ分は高くありませんので、そちら方面の期待もしないでください (笑)。
もっと詳しい情報は、主催者さまのブログポストからどうぞ → http://higahisa.blog10.fc2.com/blog-entry-82.html
コミックマーケット1日目に参加されるかたがいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします!
(ちなみに、冬コミ発売ということで、タイトルにクリスマスネタを仕込んでみたのですが、よく考えたら冬コミってクリスマスというより年末だったなあ……)
図書館体操第一
みちのく図書館員連合 (MULU) のみなさんによって考案された「図書館体操第一」という体操が (一部で) 大きな話題になっていました。書架整理、ブックトラックの移動、目録業務で疲れた目のマッサージ……といった図書館員が日常的におこなう作業の動きを取り入れた準備運動的な体操です*1。(このポストのいちばん下に動画が貼ってあります。)
このときの記事で書いたように、私は図書館業務の全部を担当しているわけではないのですが、それでも、考えてみると、この体操で出てくる動きの大半は毎日のようにしていますね。図書館の仕事は、押したり引いたり持ちあげたり、という肉体労働が意外と多いものです。
ただ、「オーン図書館体操」*2をつくるとしたら、ここに、「レファレンスカウンターでウィルバー・ウェイトリィを追い返すための首の運動 (横に振る)」、「床に落ちて開いてしまった『ネクロノミコン』を中身を見ずに素早く閉じる運動」、「書庫に実体化した異形のものから逃げるための脚の運動」などを加える必要がありそうですね。
図書館体操第一
宣伝ー
11月18日に開催された第15回文学フリマとCOMITIA102で頒布された『団地少女』アンソロジーがAmazonから購入できるようになりました。私は「千の仔」というタイトルの掌編1編で参加しています。(詳しくは主催者様のサイトもご参照ください → http://higahisa.blog10.fc2.com/blog-entry-80.html)
よろしくお願いいたします!
- 作者: 茶葉,竹雀綾人,吉田岡,夕波あす,狐森啓亭,館山緑,照焼,羽海野渉,柳川麻衣,南野藍加,ギルマン高家あさひ,久地加夜子,大江英明,よしじまあたる,CAMUS,hassegawa,栗山真太朗,夜明詩
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2012/11/18
- メディア: 雑誌
- クリック: 5回
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おしらせ
この季節がふたたび巡ってきました。
11月18日(日)に開催される第15回文学フリマとCOMITIA102 (同日開催です) で頒布されるアンソロジーに掌編1編で参加しています。作品集のタイトル/テーマは『団地少女』。(たまにはクトゥルー以外の作品も書くのです。) 私の作品は『千の仔』と……クトゥルーものじゃ、ない……ですよ……? (だんだんちいさくなっていく声で)
スペース情報は以下のとおりです。
文学フリマ:「イ-61,62 ふぇにどら!!」
COMITIA:「J-36b JPR」
本の詳細は発行サークルさまのページでご確認ください。→ http://higahisa.blog10.fc2.com/blog-entry-80.html
文学フリマは東京流通センター 第2展示場、COMITIAは東京ビッグサイト西1・2ホールでの開催です。もっと詳しい各イベントの情報は、公式ページでご確認いただけます。
文学フリマ→ http://bunfree.net/
COMITIA→ http://www.comitia.co.jp/index.html
よろしくおねがいいたします!
ミスカトニック大学大学図書館の中の人が『本棚の中のニッポン』を読んだら
『本棚の中のニッポン: 海外の日本図書館と日本研究』(著: 江上敏哲)は、2012年5月に笠間書院から発売された本です。私自身がアメリカにある大学の大学図書館の日本語コレクションをあつかう部門でアルバイトしていること、それから、大学院でいわゆる「日本研究」の範疇に含まれる研究をしていることから、とても興味ぶかい内容の本でした。このブログにふだんポストしていることとは若干、方向性がちがうような気もしますが、まるっきりはずれているわけでもないので、この本を読んで感じたこと、考えたことをちょっと書いてみようとおもいます。
ところで、感想を書くまえに、すこしおことわりをしておくと……
- タイトルでは(キャッチーにするために 笑)「中の人」としていますが、私の大学図書館での立場は上にも書いたように「大学院生アルバイト(Graduate hourly)」で、非常にかぎられた業務にしか携わっていません。ウチの図書館の日本語コレクションのほんとうの「中の人」は、私の直接のボスの「日本語/日本研究司書」の人、ということになります。『本棚の中の〜』に登場するライブラリアン・コミュニティへの参加、それらとの連携のような仕事も、すべてボスがやっています。
- 私は図書館学のバックグラウンドを持っておらず、司書過程の授業や司書講習といったものを受けたことも、日本、アメリカを問わずありません。アルバイトとしての最低限の研修は受けましたが、図書館学プロパーの方が必修として習得しているような選書論や分類法について学習したことは一度もなく、実際の業務でも選書やカタロギングはしていません。図書館については知らないことだらけです。
さらに、自分自身も「日本研究」の一部をなす研究をしていたり、「日本研究」をしている大学院生の友人がいたり、将来の「日本研究」者をめざす学生に日本語を教える授業をTAとして担当していたこともあったりで、この本があつかっているトピックに対する私の立ち位置というのは、「ライブラリアン」と「利用者」の中間あたりの、とても中途半端なところにあるような気がします。この感想は、そんな場所からの視界であるということを気にとめておいていただけると幸いです。
あ、あと、この感想は、この本の発売に際しておこなわれたイベントについての報告や、その場で行われたであろう質疑、読書会やオンラインでおこなわれたであろう意見交換や、それらのまとめなどに一切、目をとおさずに書いています。読みかたにバイアスがかからないように、といえば聞こえはいいかもしれませんが(笑)、実際のところは時間がなかっただけです。これをポストし終えたら、そういったものを読んで、自分の感想を修正していけたらな、とおもっています。(なので、どこか、これは読むべき、という場所があったら教えてください。)というわけで、既出の感想や意見と重なる部分がたくさん出てくるかもしれませんが、ご容赦ください。(追記: 末尾にはてなブックマークetc. 経由でみつけた関連リンクを追加しました。自分用メモも兼ねて)
と、前置きが妙に長くなってしまいましたが……
まず、本全体について。あつかわれている内容自体は、北米を中心とした「海外の日本図書館」の組織や業務内容、ライブラリアン・コミュニティの活動、日本研究の動向、日本関連資料の入手先や入手にまつわる課題、といったものなので、本業の研究や仕事でちょっと触れたり、見聞きしたりしたことがあるものがほとんどでした*1。(あ、ウチもJPTと紀伊国屋からよく買ってるよ、とか、ウチにも晧星社のデータベース入ってるよ、とか、そういうレベルのものも含めて……) ただ、名前は知っているけど中身や歴史は知らない、というものも多く(特に3章に出てくるライブラリアン・コミュニティや、11章に出てくる日本国内の専門機関の活動内容や歴史など)、ヨーロッパやアジアの事情のように、まったく知らなかったことがらもあって、いろいろな新しいことを学ぶこともできました。この本が第一のターゲットとしているのは「海外の日本図書館」に資料や情報を発信する側である日本の図書館、文書館、資料館関係の方々ではありますが、海外で「日本研究」をする学生も、自分がいる研究環境がいかにして整備されてきたか、研究環境にどのような制約が、なぜ存在するのかについての理解を深めるために一読しておくといい書かもしれません。(そのためには、この本で使われているレベルの日本語が読みこなせる必要がありますが。あるいは、あえて対象をいじらずに、本書をそのまま英訳したようなものがあってもおもしろいのかもしれないですね。)
(長いエントリなので折り畳んであります。「続きを読む」をクリックすると開きます。)
*1:もっとくわしい内容については、笠間書院さんのこちらのページをご参照ください。→ http://kasamashoin.jp/2012/04/post_2268.html
宣伝
5月6日の文学フリマで頒布した同人誌『yARn』、密林社さま経由でのAmazon通販がはじまりました! 私は短編1本で参加しています。内容紹介はこちらに詳しいので丸投げの術です。→ (yARn 1 [蟲] 通販開始! - とは云ふもの丶お前ではなし)
ちなみに、在庫状況が「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」になっていることが多いかもしれませんが、注文が入り次第、密林社(あるいは、うちの元締め)から納品されるかたちになっている……んじゃないかな? たぶん……ということで、ちゃんと商品はお手元に届きますので、安心してご注文ください。(刷ったぶんがなくなって本気で売り切れになるようなことがあったら、こちらでもお知らせいたします。)
(追記): しばらくAmazonで取り扱い不能になっていましたが、現在 (日本時間だと7月31日午後12時30分)、「在庫あり」になっている模様です。おそらく今回のぶんが売り切れたらサークルとしての手持ちも最後になるとおもわれます。
(2012年8月16日追記: Amazonでふたたび取り扱い不能になっているようです。これでおそらくサークルの通販用在庫もなくなったとおもわれます。再販はいまのところ未定です。お買い上げ、ありがとうございました!)
- 作者: coco,珠,ギルマン高家あさひ,ぱせよ,FUMO aka 暗黒皇帝,柿村イサナ,objectO,比佐村奈々子,woino,芹沢文書,雪狼
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2012/05/06
- メディア: ムック
- 購入: 8人 クリック: 238回
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で、ついでに、いくつか宣伝をつづけさせていただくと……
5月5日のCOMITIA100、6日の文学フリマで頒布された『クトゥルフ神話アンソロジー・2「深淵」-ドラッグフェニールの絵画・3』も、Amazonから購入していただくことができます。上の『yARn』とおなじく、こちらにも短編1篇寄稿しました。詳しい内容は、主催者さまのブログでご確認いただけます。→ (http://higahisa.blog10.fc2.com/blog-entry-69.html)
クトゥルフ神話アンソロジー・2「深淵」-ドラッグフェニールの絵画・3-
- 作者: 久地加夜子,茶葉
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2012/05/14
- メディア: ムック
- 購入: 2人 クリック: 14回
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それから……
800文字怪談、いわゆる「てのひら怪談」のコンテスト「bk1怪談大賞」(残念ながらbk1主催での開催は昨年で最後になってしまいましたが)傑作選の最新版『てのひら怪談 壬辰』が6月5日に発売になりました。怪談だかなんだかわからない投稿作品が1作品、収録されています。
([か]2-5)てのひら怪談 壬辰 (ポプラ文庫 か 2-5)
- 作者: 小瀬朧,加門七海
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2012/06/05
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 20回
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最後に、これはAmazon取り扱いがないのですが、荒蝦夷発行の雑誌『仙台学』vol.10にも、「第1回みちのく怪談コンテスト」に投稿した作品がひとつ掲載されています。(これも800文字怪談です。)
http://honto.jp/netstore/pd-book_03359431.html
長々と宣伝してしまいましたが、どれも読みごたえのある本 (主に私の作品以外の部分で!) ですので、どうかひとつよろしくお願いいたします。